オーガニックコットンとは?

DEDICATED.のメインアイテムであるTシャツやスウェットシャツには、オーガニックコットンが使用されています。

なぜオーガニックコットンを使用しているのか、何回かに分けて分かりやすく説明していきたいと思います。

まず初回の今回は、そもそもオーガニックコットンとは何なのか?その特徴について通常のコットンと比較しながら見ていきましょう。

 

1. 見た目に違いはない


オーガニックコットンと通常のコットン(コンベンショナルコットンと呼びます。)には見た目や風合いには差がありません。
問題は見えない部分、その栽培過程にあるのです。

 

2. 農薬、化学肥料の使用ゼロ


オーガニックコットンは、農薬、化学肥料の使用ゼロ。遺伝子組み換え種子も不使用。ありのままの自然環境で育て、農家の安全と周辺地域の生物の多様性を保ちます。

全世界のすべての作物の生育で使用される農薬と殺虫剤のうち、8~10%もの量が綿花生産で使用されています。全耕作地のうち綿花栽培の面積は2.5%しか無いのにも関わらずです。

オーガニックコットンの栽培には大変な工夫と労力が伴いますが、農薬や化学薬品を使用しないことで、農場周囲の環境を、自然に近い豊かな状態に保つことが可能です。農家の人々の健康も保ちます。

3年以上、農薬と化学肥料を使用していない畑で採れたものが「オーガニックコットン」と認定されます。
3年未満のものを、「プレ・オーガニックコットン」と呼び、これを購入することでオーガニック農法へ切替えを考えている綿農家を後押しすることが出来ます。

 

3. 使用する水を少なくする


Tシャツ1枚をつくるのに2,700リットル(2006年頃のデータですが)の水を使用すると言われています。これは1人の人間が飲用に使用する水の量のなんと2年半分に相当します。

オーガニックコットンの栽培方法ではこれを最大で91%も少なくすることが可能だと言われています。 収穫後の染色工程で使用する水の量が両者とも同量だとすれば、その差は綿花の栽培段階での水使用にあります。

オーガニックコットンの栽培地では75~80%で雨水(天水と言います)で綿花を育てています。(この場合、雨水は水使用にカウントされない)
つまり、地下水や河川などの水資源を使用する「灌漑(かんがい)」が行われている割合がとても低いと言うことなのです。

4. 灌漑(かんがい)の問題


山々に囲まれて水資源が大変豊富な日本に住んでいるとなかなか実感が湧きませんが、我々が日々使ったり食べたりする農作物を生産している国々では、農場が土地の水源を過剰に使用することによって市民が水不足に陥って困窮しているという状況があります。

コットンにおいても例外ではなく、もともと水源が無い乾燥した場所へ無理やり水を引っ張ってきて(地下水の汲み上げや河川の水を引き込むことを灌漑/かんがい と言う)化学肥料を大量に投入して綿花農場を拡大する例が各国で見られます。
綿は他の農作物に比べて高く販売できるというのが理由のようです。

オーガニックコットン栽培方法は灌漑による水の確保を規制するものではありませんが、コンベンショナルコットンの農場に比べ、オーガニック栽培の場合は灌漑の水の使用率は非常に低い割合になっています。これには理由があります。
オーガニックコットンは自然な農法。しっかり必要な雨が降る地域で、本来綿花が育ちやすい場所で自然なまま育てている場合が多いのです。

5. 二酸化炭素の排出を少なくする


オーガニックコットンの栽培では通常の栽培方法に比べてCO2の排出量を最大で46%減少させることが出来るそうです。これは主に、化学肥料や農薬を使用しないことに起因します。また、周辺の植物が豊かに育ち、土壌に有機物が蓄積することで二酸化炭素を地表に固定化させる効果も大いに期待できます。

 

6. たったの1%しか無い


そんなオーガニックコットンですが、栽培されている量は綿の全体の生産量の1%未満しかありません。

 オーガニックコットンの栽培方法には大きな労力が必要とされ、当然価格も高くなる為になかなか普及していっていないのが現状です。

世界人口が増加の一途を辿り、綿製品の需要も急激に高まり続けています。ファストファッションによって私たちが洋服を簡単に買い替えるようになったことも原因です。このことから、より効率的な綿の生産が求められてしまっているのです。

オーガニックコットンの生産は手間を掛ける分非効率的で、生産量を増大し大規模に生産することは難しいです。

オーガニックコットンを普及するために私たちにできることは、オーガニックコットン製品が通常の綿製品に比べ多少高価であっても、よりよい方を選ぶという決断なのです。

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